不動産の雑学

不動産仲介手数料無料のメリット・デメリット

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さて、今回は不動産の仲介手数料無料があなたにもたらすメリット・デメリットについて見てみましょう。

メリット:費用0円

まずは、メリットについて。

仲介手数料無料ということは仲介手数料が0円なので、賃貸も売買もメリットはただ1つ「お金が不要」ということだけです。

ところが、デメリットについては、あなたが貸したい時借りたい時売りたい時買いたい時によってデメリットの度合いが変わってきますので、注意が必要です。

各デメリットを理解する為には最初に「不動産業者のタイプと利益構造」をざっと知っておく必要があります。

不動産業者の中には仲介業だけじゃなく、自ら売主・買主・貸主・借主のように当事者である場合があります。

そして、それぞれの基本的な利益構造とは、、、

  • 売主-仕入れ額より高く売った差額が利益
  • 買主-転売する為、相場よりも安く買うと利益
  • 貸主-高い賃料で長く借りてくれると利益
  • 借主-転貸する為、相場より安く借りると利益
  • 仲介-仲介手数料が利益

という感じになっています。

もし、あなたが物件を買いたいなら売主となっている不動産業者、早く売りたいなら買主となってくれる不動産(買取り)業者、借りたいなら貸主である不動産業者、貸したいなら借主(サブリース)となる不動産業者を自ら探してタイミング(運)良く出会えたなら、仲介手数料が無料のケースが多く、そのデメリットはありません。

ところが、あなたが目にする不動産業者の多くは「仲介」をメインとしています。

なので、多くの場合は不動産仲介業者へ依頼することになります。

デメリット:選択肢が少ない

仲介手数料無料が、あなたにもたらすデメリットは「選択肢が少ない」ということです。

それは、なぜか?

つまり、不動産仲介業者が利益である仲介手数料を無料(0円)にすると、どこかで利益を上げなければ、商売が成り立たないので「仲介業者の利益が少ない選択肢は提示してもらえない」ということです。気に入る選択肢(当たり)も出てくるかも知れませんが確率は低いでしょう。

では、ケース別に見ていきましょう。

貸したい時のデメリット

あなたが、物件を貸したい時(入居者募集・テナント誘致)に、仲介手数料(広告料)を無料で受けた仲介業者は、借り手から仲介手数料を取らなければ成り立ちません。

しかし、借り手は、希望する物件やメリットのある物件でないかぎり、仲介手数料の少ない業者や広告費を投入している物件に引き付けられる為、成約まで持ち込むことが難しいものです。

そうなると、アプローチするのは民泊や高齢者住宅など事業用の物件を探しているサブリース会社など借り手の候補が限られてきます。

借りたい時のデメリット

居住用か事業用かは関係なく、あなたが物件を借りたい時に、仲介手数料無料で物件探しを了承した仲介業者は、貸主から仲介手数料を取らなければなりません。

居住用であれば、貸主からもらえる仲介手数料(広告料)が高くても安くても、物件内覧の回数や重要事項説明書、賃貸契約書などの書類作成に労力の大差はありません。

となると、どうせやることが同じなら手数料が安い物件よりも高い物件をチョイスして「あなたには、これがいいですよ」となるのですが、営業マンの心理で通訳すれば「私には、これがいいんです」となります。

特に事業用物件の場合は、あなたが依頼した仲介業者とは別に、貸主側にも仲介業者が付いていることが多く、貸主からの手数料は貸主側の仲介業者が取ってしまう為、あなたが依頼した仲介業者へは貸主からの仲介手数料が入りません。

そうなると、仲介手数料を得る為に、貸主から直接依頼を受けている物件しか紹介してもらえません。

つまり、提示してもらえる物件候補が少ないために、他の仲介業者にも声をかける必要があるなら、お金よりも貴重な時間を浪費することになりかねません。

売りたい時のデメリット

今では、インターネットが普及したことから、物件売却時の仲介手数料を無料と謳って物件募集を募る不動産業者が出てきています。

いくらネットが普及し、経費を削減できるといっても利益の無い事業は成り立ちません。

売却時の仲介手数料が不要で成り立つのは、あなたから不動産業者が直接買い取る場合です。収益物件の買い取りであれば別ですが、原則、業者は転売して利ザヤを得る為に買取ります。

なので、買い取り業者は、転売時の経費も見込んで市場価格の8割以下で買取らないと割に合いません。

買取りじゃなく、市場価格で売買仲介してもらった時の手数料は、税別で約3%。

どちらが得なのかはお分かりですね?

また、売却時の手数料を減額すると言って売り物件を募集する業者もチラホラと出てきていますが、そのような業者達は自分達で直接買主を見つけて、買主からも手数料を取らないと利益が出ないので、レインズなどの業者間ネットワークに情報公開をせずに、いわゆる「情報の囲い込み」をする傾向があります。

情報の囲い込みは、その業者の販売力に頼り切ってしまうので、より早く、より高く売る為には好ましくありません

不動産に限らりませんが、どんな良い商品でも知ってもらわないと売れないものです。

買いたい時のデメリット

物件を買いたい時、仲介手数料無料(0円)の不動産業者に物件探しを依頼すると、依頼された業者は手数料を払ってくれる売主の物件を紹介しないと事業として成り立ちません。

そうなると原則として、

  • 新築分譲マンションは除外(販売業者が直接販売する為)
  • 新築建売の多くは除外(分譲会社が直接販売する為)
  • 中古物件の多くは除外(売主側に別の業者がいる為)

というように、あなたに提示される案件の数が非常に限られてしまいます

不動産は、多くの人にとって人生やビジネスに大きな影響を与えます。

宅建業法で定められた正規の不動産仲介手数料は、決して安いものではありません。

しかし、正規の仲介手数料を支払うことによって、不動産業者はあなたの優れたエージェントとなり、そして、多くの選択肢(物件)の中から、あなたが満足できるものを選ぶことができるようになります。

不動産に限らず、ビジネスや日常生活などでも「無料」は「時間」との引き換えです。

タダより怖いものはありません。

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