あなたは、住居不動産の空室が全国でどのくらいあるのかご存じでしょうか?今回は、日本で問題化してきている住居不動産の「空き家」について見ていきましょう。
全国の空き家ランキング
国内で、空き家の数を知る客観的なデータとして総務省の統計局が公表している「住宅・土地統計調査」というものがあり、5年ごとに集計されています。平成29年の現在では、直近の新しいものは「平成25年」に実施されたデータが最新のものとなります。
全国で空き家は820万戸もある
この平成25年の公表データによると、日本全国で住居不動産としての空き家の数は820万戸となっており、そのうち423万戸が賃貸用のものです。更に、その賃貸用のものには、木造アパートが85.7万戸あり、木造長屋が22万戸あるそうです。下記の表は、著者が平成25年の住宅・土地統計調査の中から抜粋して空室率の高い都道府県の順に並べ替えたランキング表です。
不動産オーナーは相続税対策の為に土地活用で収益不動産を新たに造ったり、不動産の再生をしたりする際に空き家の数を意識します。ところが、中には空き家の数を「賃貸用」の空き家がどのくらいあるかだけを考慮する人もいます。もし、賃貸用の空き家の数だけを見ていると、実態として賃貸用じゃない空き家も同じくらい存在していることを忘れて思わぬ失敗につながりかねません。
賃貸用じゃない空き家も相続によって、そのまま賃貸用として活用しだしたり、建替えて賃貸したり、売却したりして土地相場や家賃相場が下がってきたりなど、賃貸市場に影響を与えだすことは十分に見込まれます。
なので、このランキング表は「賃貸用」不動産の空き家じゃなく、賃貸用以外も含めた全ての住居不動産の空き家ランキングとしています。賃貸用の空き家率も当然、都道府県によって違いがありますが、例えば大阪で見た場合の賃貸用の空き家率は20%ちょいほどになります。(平成25年 住宅・土地統計より)
ココが落とし穴-空室率は、あくまで「平均値」だと理解する
ここで、「なんだ、空き家率と言っても1~2割じゃないか」と思ってはいけません。あくまで平均値なので、新築や築浅の空き家は少なく、古いアパートや文化住宅、マンションなどの空きは多いという事です。それこそ、1割しか稼働していないアパートもあります。
これらの実態をふまえて、土地活用や不動産再生を考えていかなければなりません。日本も高度成長期で、住宅ローンがまだ無く、ベビーブーマー時代なら借り手も多く、駅から15分以上の場所に賃貸アパートを建てても満室になったものです。
しかし、少子高齢化が突き進む我が国においては、不動産に限らずともあらゆるビジネスにおいて、消費者ニーズに合わせた価値を提供していかないと失敗してしまいます。
空き家の実態をある程度掴めたら、次にあなたが行うべきことは、ユーザーが「お金を払ってでも手に入れたい」と強く思えるものは何かという消費者ニーズをリサーチすることです。この相続対策塾では、インターネットを使ってお金を使わずに簡単にリサーチをする方法を学ぶことができます。(詳しくはこちら)←記事がアップされたらクリックできるようになります