今回は、任意売却の物上げで専属専任の媒介を獲得した後、「待ち」のネット集客だけじゃなく、「攻め」のポスティングで反響を獲るための3つのコツについて。
不動産営業マンなら、誰もが経験している販売チラシのポスティング(宅配)。
ポスティングのあとには、妙な達成感があるものの、反響がなければすべて時間とチラシ代がムダというのが辛い。
しかし、任意売却には競売で処理される前に売却しなきゃいけない「タイムリミット」があるので、寝てる子をたたき起こしてでも売る心づもりでなければならない。
では早速、ポスティングで売るコツについて見ていこう。
コツ1 ターゲットを決める
先ずは、マーケティングの大原則として、あなたが売りたい物件のターゲットは誰なのか?ということを決める必要がある。
このターゲットのことをマーケティングでは「ペルソナ」と呼び、職業や年齢、家族構成、困っていることなど、あなたが「売りたい相手として相応しい人」として細かく想定して作るアバターのようなもの。
ペルソナは、Facebook広告のようにオーディエンス(見込み客)の属性を細かく指定し配信できる場合は、とても効果が期待できるが、不動産チラシのポスティングでは、そこまで細かく絞り込んでもアプローチできないので、売りたい物件に応じて次の2つを決めよう。
1・見込み客の年収
物件の価格に応じて、買える客として最低年収はいくら必要なのか?
これによって、どのような場所(物件)に今、住んでいるのか?という事がある程度、想定できるようになる。
2・家族構成
ここでの家族構成とは、物件の立地・間取りなどの特徴から、子供が何人いて、幼稚園以下なのか、小学生以上なのかという事を想定する。
例えば、幼稚園や小学校が近くて、間取りが3LDK以上であれば、子育て世帯を想定でき、都心や駅近の分譲マンションで2LDKなんかであれば、子供のいないディンクスや老夫婦も想定できることになる。
コツ2 場所を選ぶ
ここでいう場所とは、ポスティングをするエリアと物件のこと。
家族構成によって子育て世帯を狙うなら
- 物件の位置する小学校区内に絞る
- 幼稚園の門付近でティッシュとセットで配る
- 賃貸マンションならワンルームは除外する
- 自転車置き場に子供用自転車がある賃貸物件を狙う
売り物件が分譲マンションで老夫婦を狙うなら、
- 玄関の入り口が中二階以上にある昔の建売を狙う
など、ポスティングする物件を絞り込もう。数打てば当たる戦法がポスティングの原則だが、使える時間やお金が限られているなら、軒並みポスティングして回るよりも効率が良くなるので試してみよう。
コツ3 反響の取れるチラシ
何百、何千枚とポスティングしても、販売チラシの中身が残念な内容であれば、反響の電話が鳴ることはない。
物件チラシは大きく分けると、1枚に複数の物件を掲載する合同チラシと、1枚に1つの物件しか掲載しない単発チラシがあるが、任意売却物件の場合は単発チラシを採用した方がいい。
理由は、合同チラシはスペースの関係で「価格」「間取り」「物件概要」程度しか表現できないので、物件を買いたくて探している人しか手に取って見ないが、単発チラシであればキャッチコピーで、潜在見込み客の目にも留まる可能性があるからだ。
どういうことかを詳しく見てみよう。
チラシは、ミニ営業マンである
あなたが、見込み客の前で物件を売り込むとき、何を重点的に伝えようとしているだろうか?
少なくても、価格の根拠や法令上の制限や間取りそのものではないはずだ。
何よりも重点的に伝えなければいけないのが、
- 物件から得られる顧客のメリット
- 物件で暮らすイメージ
- 希少性(期間限定)
- あなたから買う理由
この4つは、必ず見込み客に伝えるべきことである。
DMように1つあたり数枚の紙が使えなくても大丈夫。限られた1枚の紙面の中で表現するコピーライティングを学べば、物件販売チラシの反応は2倍にも3倍にもなる。
事実、リアルターでもコピーライティングを学び、販売チラシに応用したところ最大で従来の5倍の反響を獲る事ができた。
スーモやホームズなどのネット掲載も欠かせないが、ポスティングの最大のメリットは、反響を「待つ」ではなく「獲りに行く」こと。しかも、普段検索していない潜在見込み客にもアプローチできる点も大きい。
ぜひ、成約率を上げる為にも、これらのポスティングのコツを試してみよう。