企業主導型保育 大阪
今回は、昨年から事業用物件仲介や土地活用で話題になっている企業主導型の保育所について、簡単にまとめてみました。
企業主導型保育事業とは、平成28年4月より国(内閣府)が実施している事業所内保育所の設置を促進する制度のこと。
新たに設置したり、増設(増員)した事業所内保育所に対して、一定の条件を満たせば補助金が下ります。
但し、既存の保育所の譲渡や廃止をしてから新設するものは対象外とされます。
企業主導型保育事業のメリット
人材不足を補う為に女性の子育ての負担を減らし、女性が活躍しやすい社会(会社)を作ることを目的としており、この事業には次のメリットがあります。
- 従業員の採用・定着を期待できる
- 保育所の運営費が助成されるので運営が安定しやすい
- 企業イメージが良くなる
- 待機児童問題の解消
- 少額投資で資金回収も早い
- 従業員の保育料無料化も可能
- 子育てと仕事の両立を実現
というようなメリットがあり、認可保育園と同等のサービスを提供・受けることができる。
助成額の例
助成金には、保育所をつくる(新築や改装の)場合の「整備費」と、保育所を経営する「運営費」の2つがある。
例えば、既存物件や運営規模から一番多くなると私が予測している「床面積が100㎡(約30坪)程度の定員19名の保育所(施設)」の場合で見てみると、
整備費
工事費用の約3/4が交付される(認可保育園と同じ)
都市部(人口密度1,000人/㎞以上の市町村)で、
基本単価 8,090万円
地域交流等 264万円
病児保育等2,101万円
設計料加算 404万円となり、
整備費基準額は合計約1億860万円
上記の基準額以外にも、環境改善加算、特殊付帯工事加算、開設準備加算、借地の場合の土地借地料加算などもある。
これらの基準額を総合計し、実際にかかった対象工事費用に3/4を乗じた額と比較して低い方が助成される仕組み。
これだけの金額が出るので、既存物件を改装して保育所にする以外にも、時間はかかるけど土地さえあれば、保育所を新築するという選択肢も選べる。
運営費
運営費についても認可保育所とほぼ同じ水準で補助金が出る。
例えば、運営する地域が10/100地域、1日に11時間で週7日未満運営する場合、
乳 児:223,560円×5人=1,117,800円
1歳児:155,020円×7人=1,085,140円
2歳児:155,020円×7人=1,085,140円
3歳児:103,790円×0人=0円
(利用者人数の配分は仮定)
月額合計:3,288,080円
⇒月当たり約330万円が運営費として助成される。
これ以外にも、預かりサービス加算や病児保育加算、物件が賃貸であれば「賃料加算」など他にも数種類の加算がある。
特 徴
企業主導型保育事業は「認可外保育所(園)」ですが、次のような特徴があります。
- 地域枠(自社以外からの受け入れ)の設定が自由(利用定員の50%以内)
- 認可保育所並みの助成があるので、利用者の負担も軽くできる
- 複数の企業が共同で設置して利用することもできる
- 柔軟な保育サービス提供ができる
開園までの流れ
- 場所と規模を決める
- 設計(図面・仕様)を決める
- 公募に申請(整備費申請)する
- 着工・人材募集・開園予告
- 運営開始・運営費申請
保育所タイプは3つ
- 単独型・・・ある企業が単独で保育所を設置し、利用するタイプ
- 共同型・・・1つ又は複数の企業が設置した保育所を複数の企業で利用するタイプ
- 保育事業者型・・・保育事業者が設置した保育所を1つ又は複数の企業が利用するタイプ
保育所での土地活用
土地を持っていて、何か有効活用したいと考えている地主様なら「新築テナント方式(建て貸し)」も検討できます。
イメージとしては、ご所有の土地に建物をスケルトンで建築し、保育所を設置運営したい企業様に10年以上で賃貸するというパターン。
内装工事については、借主となる企業様が助成金申請を行い、自分達で内装を仕上げて運営するという流れになります。
仮に、30坪の建物を1500万で建てて、月32万円で賃貸すれば表面利回り25%ということです。
但し、公募制の為、場所によっては設置(運営)希望者がいない、助成申請がおりないという可能性もあるので、事前に市場調査が必要です。
大阪で企業主導型保育事業での土地活用を検討してみたい場合、リアルターにて市場調査を承っていますのでお気軽にご相談下さい。
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