今回は、配当要求終期の公告をもとに物上げを行っていて、媒介が取れない理由について、触れてみます。
媒介が取れない理由
以前に、後輩と一緒に配当要求の債務者のもとへ物上げに行ったときの事です。私の腕時計を見ると18時頃だったと思います。後輩が債務者宅のインターホンを鳴らしました。
『ピンポーン・・・』『ピンッ・・・ポーン・・・。』
債務者 「ぁ゛い。ダレ?」
低くてダルそうな男の図太い声がインターホンから聞こえた。
後輩 「あのー、△△さんでしょうか?
裁判所での公告を見て、ご自宅の件でお伺いしたのですが・・・」
債務者 「あー、ウチは結構ですので。」
後輩 「えっ!?」
債務者 「・・・・」
後輩 「あっ、もう、どこかに任せていらっしゃるんですね?」
債務者 「そ、そうですが。もう、お引取り願えますか?」
後輩は、私に言った。
「ここは、ダメですわ。もう既にどっかの業者に任せてるみたいで・・・」
後輩のすぐ、後ろでトークのやり取りを聞いていた私は、彼に言った。
私 「今日、回った配当は全部で3件やな。一件も媒介取られへんかったな。
理由は、何でやと思う?」
後輩 「えーっと、今日の1軒目は、既に電気メーターも止まってて、
明らかに住んでないし、
2軒目は、娘さんが出て、本人は夜遅くに帰ってくるとの事で、
3軒目は、今の、既に業者に任せている分でしょ?
なんか、全部タイミング悪いのが原因ですね。」
確かにそうかも知れない。でも、媒介を取れなかった理由を『自分以外』に取り付けても何の進歩もしない。
何故なら、自分以外の外的要因は、ほとんど変えようがないからです。
つまり、『ダメだった理由は常に自分にある』と考えるクセを付ければ、『どうすれば、確率が上がるのか?』と常に考えるようになるので、自然と数字は上がるようになります。
例えば、先ほどの債務者と後輩のインターホンでのトークでも、もっと相手から話をさせる為の切り込み方も考えられるし、娘さんが出てきたときのアポ取りトークも考えられます。後輩には、その事を伝えましたがクチでは「分かりました」と言ってくれたものの、本当に分かったのか?とと少し心配してるところです。
あなたが今日、媒介を取れなかった理由は何ですか?
※この記事は、2013.7.3に執筆したものを旧サイトから移植・一部修正等したものです。