さて、配当要求終期の公告や差押情報をもとに債務者のもとへ訪問をしていると、競売開始決定(差押)を受けた債務者が、不動産業者だったり、その従業員だったりすることもあります。
今回は、そんなケースで、どう媒介までもっていくのかをテーマにしてみます。すでに長年、任意売却に携わっている人は、ご存じかも知れませんが、日頃、不動産の売買をやってる人でも、いざ、任意売却となれば、やり方や時間的な制限などから、うまく取り組めない人もが多いかも知れません。
単に、本屋で並んでいるような書籍で学んだところで、競売入札が始まるまでに債権者の同意を得て、一般の市場で売却するものというぐらいしか分からずに、債権者との交渉もうまくできず、また、債務者に対してもメリットを打ち出せず、結果的には競売で処理されてしまうものが多いように感じます。
実際に、私が出会った債務者が同業者だった場合に
「自分でやるから大丈夫」と、人の好意をムゲに
断ってきた方々の結末は、多くは競売で処理されました。
(事件番号が分かれば、インターネットで競売結果がわかる)
本当に任意売却が分かっている業者が債務者なら、自分では(債権者交渉を)やらずに、任意売却を分かっている業者へ『依頼する』ものです。
『債務者』が債権者と直接交渉しても上手くいきません。人に頼らずに自分で何とかできると思っている人ほど、お金で行き詰まりやすいかも知れません。任意売却で手を貸すと言えば、相手も同業者という立場上、プライドが邪魔するかも知れませんので、アプローチには少し言葉を選ぶ必要があります。