配当要求の物件を回っていると、よく聞く断り文句のあのフレーズ・・・。
『弁護士に任せてるので結構です・・・』
「弁護士に任せてるから」という断り文句があります。
でも、これは本当に弁護士へ依頼している場合と他の任意売却業者から洗脳されている場合の二つのケースのうちのどちらかで、つまり、2分の1の確率で媒介獲得のチャンスが残っているんです。
他の任意売却業者へ任せている場合には、はっきりと
『もう業者(不動産屋)に任せてるから・・・』と言ってきます。
ちょっとした、言葉の違いですが、ビジネス心理学の観点からすると何気なく口からでる言葉からは、相手の心理や状態など結構、読み取れるものなんです
つい、先日の話ですが、たまたま、事務所で事務処理をしていると、
プルルルルルッッ・・・!
と、事務所の電話が鳴った。
私 「はい、お電話ありがとうございます。
◯◯不動産の◯◯と申しますーっ!」
私は、珍しく電話の受話器を取って応対してみると、約1か月前に配当要求で、訪問した物件の債務者のKさんから、一度、相談したいと依頼の電話でした。でも、このKさんからは、私が訪問した際には、断られていたんですよ。
その電話が鳴った日の約1か月前・・・。
私 「今日は、まともな物件は1件だけやな~。
他は捨てて、この物件(Kさん)だけ、行こか。」
私は、大阪でも割と人気のある地区の一戸建ての配当物件に目をつけて、朝一番に訪問して物件の様子から家族構成を推測し、債務者の嫁さんの帰宅する時間に再訪して、見事に玄関先で会うことができ、アプローチを掛けた。
私 「Kさんの奥さんでしょうか?
私、◯◯不動産の◯◯と申しまして、私どもは、
不動産会社なんですが、今日の裁判所での公告で」
Kの嫁さん「弁護士に任せてますので、結構です・・・」
私 「エーッ!ほんまですか!?
あ~ そうですかーっ・・・」
Kの嫁さん「・・・」
私 「弁護士ねぇ・・・
こんな状況になってからは、弁護士に頼んだところで、
お金取られるだけで、結局、何にもなりませんよ。
なんや、ゆーたら
『大丈夫、破産したらいーんですよ。今の時代、
恥ずかしい事じゃありません』と簡単に破産を
勧めてくるだけですし・・・。
まぁ、弁護士も商売やから仕方ないでしょうけどね。」
Kの嫁さん「とにかく、結構ですので。」
私は、断られた直後にも直筆で書いた手紙もドアに挟み込んで帰ったが、その後、Kさんからの反応はありませんでした。
今回、約1か月が経った頃に電話がかかってきたのは、単に私たちが、配当要求の公示日から1ヶ月経った物件(断られた物件や債務者と会えてない物件)にダイレクトメールを送っていたからです。
Kさんに事情を訊いてみると実際には弁護士に任せておらず、自分で金策に走り回っていたそうで、結局、目途が立たずに裁判所からの売却決定基準額(最低入札価格)の通知が届き、もう、どうすればいいのか分からずに電話をかけてきたとの事でした。
なんで、弁護士に任せてるとウソをついたのかと訊くと、競売開始決定通知が届いた段階で弁護士に相談しにいった際、配当要求終期の公告日以降に不動産業者がたくさん訪問してくるので面倒だったら、「弁護士に任せている」と言えばいいと言われたそうです。
その弁護士も不動産業者に媒介を取られたら仕事が回ってこないから、そう言ったんでしょうね。今や、税理士の人数よりも弁護士の人数が多い時代なので、立派な弁護士も数多くいますが、中には、そうでないお方もいるってことをもっと世間の人にも知ってほしいですね。
宅建も弁護士バッジのように、持ってるだけで信頼されるような職業にしていきたいですね。