相続人がプラスの財産だけを持っていれば言う事もありませんが、人によってはマイナスの財産である負債の方が。多い場合もあります。今回は、そんな場合にできる相続放棄について解説します。
相続放棄するのは自由?
プラスの財産であれ、マイナスの財産であれ相続するかしないかは相続人の自由です。
相続放棄の効果としては、最初から相続人ではないとみなされるので、プラスの財産はもちろん、相続人が残した借金や連帯保証なども一切受け継がないことになります。
相続放棄しても対象とならない財産とは?
相続放棄をしても被相続人(故人)が生前にかけていた生命保険の「受取人」となっている場合は、保険金を受け取る事ができます。ちなみに保険金を受け取ったなら、相続税の申告は必要となります。
相続放棄のデメリット
撤回できない
一度、相続放棄の手続きをしてしまうと、後からとんでもない額のプラス財産(知的財産や著作権、宝くじの当たり券など)が見つかったとしても撤回できません。
別の相続人へ相続権が移る
例えば、配偶者と子が相続放棄すれば、被相続人の直系尊属である父母へ相続権が移ることになる。なので、相続放棄をする時は、法定相続人全員と連絡を密にしておく必要があります。
相続放棄の手続きは?
①被相続人の最後の住所地にある家庭裁判所に、相続人が相続開始から3ヶ月以内に申し立てる
②手続きに必要なものを集める
1、被相続人と相続人の戸籍謄本
2、被相続人の住民票の除票(又は戸籍の附票)
3、収入印紙(一人当たり800円)と返信封筒用の切手など
4、相続放棄の申述書(裁判所のHPからダウンロード可)
③ 前②で集めたものを家庭裁判所へ郵送する
相続人全員が相続放棄したらどうなる?
あまりにも負債が多く、法定相続人全員が相続放棄してしまった場合は「相続人不存在」となります。その場合、不動産など換価処分できるものがあれば、債権者から家庭裁判所へ申立することにより、「財産管理人」(裁判所が指名した弁護士など)が選任されて、その財産管理人が被相続人の財産目録の作成や債権者とのやり取りを行う事になります。
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