不動産の雑学

破産手続きの『同時廃止』と『管財人が付く場合』の選択基準

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先日、以前に世話になった事のある不動産会社の社長さん(以下、S社長)とお茶をしている時の事・・・。

 

S「先日、自営業者のジイさんから

  自宅が差押されるゆうて相談があってん。

  あっちこっちから金を引っ張ってて、

  破産も考えてるらしいわ」

私「ほう。破産ですか。

  何でなんでしょうねぇ・・・?」

S「いゃ~、キツイとこからも借りてて、

  取り立てがハンパやなくて、

  胃に穴が開きそうやて」

私「まぁね・・・、

  サラ金規制法が出来て、逆に商売しやすく

  なった方々も居ますからね。

  そんな人は法の外で生きるモンやから・・・」

S「まっ、オレが任売で金残したるから、

  それから破産しなはれって言うたけどな」

私「引越代ねぇ・・・

  んっ!? ところで、なんで先に

  破産させないんですか?」※1

S「なんでやねん、自分。分かってへんな~。

  先に破産して管財人ついてもうたら

  引越代残されへんやろ。」

(出たっー!! 知ったかこいてる。分かってへんのは、アンタの方やろ)

 「その人って、自営ということは

  法人じゃなくて個人事業主でしょ?

  法人の代表者ならともかく、

  個人なら恐らく『同時廃止』になって、

  管財人はつかないと思いますけど・・・」

S「なんでやねん。

  自宅という『不動産』をもってたら

  同時廃止じゃなくて管財人はつくんや。

  そんなん知らんの!?」

(腹立つなぁ、人をバカにして。もう黙っとこかな。

  でも、今後の事も考えて教えとこか・・・)

 「個人の所有する不動産って

  主に自宅の場合がほとんどですけど、

  1.5倍ルールってのがあって

  物件評価額の1.5倍よりも

  抵当権者のローンの残債額が大きい場合には、

  同時廃止になることが多いんですよ。

  管財人がついてワザワザ売却しても、

  手間がかかるだけで、

  抵当権者が全て持って帰るから、

  他の債権者に配当できんのですよ」

S「うっ・・・」

私「それに、先に破産させた方がいいと思うのは、

  この人は『差押される』って相談に来てるんでしょ?

  破産手続き中は『事件中につき差押できない』のですよ。

  抵当権者(別除権者)による競売申し立ての差押は

  できますけど・・・

  つまり、任売の時に必要なハンコ代が減るわけですよ。」※1

S「ふがっ・・・」

私「あとは、私なら〇△×〇して・・・」

 

というような会話がありましたが、いかがでしたでしょうか?少しでも任意売却の参考になれば幸いです。

次回は、以外と知らない人も多い『何故、法人が破産すると管財人がつくのか?』もお話したいと思います。

破産しても「同時廃止」なら任意売却を目指そう

 

※この記事は、2012.9.17に執筆したものを旧サイトから移植・一部修正等したものです。

※1 任意売却をするつもりの時に、事前に破産すると債権者にとっては、任売や競売後のポンカス債権すら残らないので、抹消金額の交渉が厳しくなってきます。借入状況によって債務者へのアドバイスを変える必要があります。

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