今回は、物上げ日記であなたの問題を解決しませんか?に投稿いただきましたご質問についての回答です。
質問の内容は、不動産登記受付帳の「処分の制限に関する登記」と「相続登記」のうち、これから物上げに力を入れていくならどちらがいいのでしょうか?ということですね。
まず、私の余談ですが、先日、預かっている中古マンション(築39年・2LDKの58㎡)の売却チラシを物件周辺に300枚ほどポスティングをしたところ、早速、反響があって1組案内してきたんです。
話を聞いたところ、物件を気に入って価格次第で購入したいとのこと。それはいいのですが、今、住んでいるところは築古の戸建てらしく、以前に査定してもらったら相当に安かったので、売らずにおいておきたいとのことでした。
古くても、少し手を入れて賃貸すれば収入にもなるけど、空き家なら資産じゃなく税金やメンテのかかる「負債」そのもの。
そりゃ「買った当時の金額を考えたら、安いから売りたくない」という気持ちも分からなくもないですが、活用しないなら、何十年も住んできたから、その分、家賃を払ってきたと思って、わずかでも手残りになるように売ってしまえばいいのに、、、と思うのは私たちプロだけのようです。
最近、サラリーマン大家さんが増えてきているとはいえ、まだまだ日本はアメリカよりも投資思考の人が少ないように思います。
さて、話を戻します。
私の経験から結論づけるとすれば、目安として物上げに使える広告予算が毎月20万円以上あるなら「相続」、なければ「処分の制限」を狙うべきだと言えます。
根本的に、この2つはターゲットの属性が全く違うので、フォローするならどちらかに割り切った方がいいでしょう。
ビジネスの原理原則として、人は「苦痛から解放されたい」時は、お金を出す(行動に移す)ものですが、「予防」には、お金を使わない(行動に移さない)人がほとんどです。
つまり、「相続」は余裕のある人ですから、なかなか反応しない(困ってないから興味がない)し、2~3回程度フォローしたぐらいじゃ、いざ動き出すころには忘れられている可能性も高いので、捨て金になりやすいと言えます。
なので、「相続」を狙う場合、勿体ないと思うかもしれませんが、登記は「所有者事項」ではなく「全部事項」で調べて、物件内容を細かく見てランク分け・リスト化し、あなたが媒介を獲りたいものじゃなく「売れそうなもの」をAランクとして毎月1回以上1年間はフォローすることです。
あなた自身を売り込んで「顔を覚えてもらう」(←大手も基本にしていますね)ことです。(別に初回から飛込み訪問する必要はありません。訪問は反響があった時のみで十分です)
なので、受付帳を取得するエリア数にもよりますが、広告予算は最低でも月20万円以上必要になってきます。
そして、気長に待つことになります。
最初の1~2カ月は反響がない(見慣れないうちは反響が限りなくゼロに近い)ので、不安でたまらなくなり、胃が痛くなる時もくるでしょう。しかし、それを乗り越えて続けれる人だけが、媒介を獲る事ができます。売上が上がって、資金に余裕ができたら、範囲を広げるのではなく、今のAランクを更に頻度を上げてフォローします。
Aランクの見込み客だけを集めてフォローを続ける行為は「未来預金」そのものです。
飛込み訪問と違って、DMの出しすぎで怒られることはあまりありません。
もし、怒られたら誤ればいいし、そんな人はリストから削除すればいいだけ。
そして、アプローチは、毎回常に「賃貸活用」と「売却」の二刀流提案のダイレクトメールを送り続けるのがポイントです。活用であれば、「手間もお金もかけずにリスク最小限で賃貸して毎月◯万円の不労所得を得る方法」や「売却査定は一括査定よりも地元の2社択一が良い理由」など、所有者が興味を持ちそうなネタを2~3つ考えて、繰り返し使えば、最初の頃のは忘れていたり、読んでいなかったりもするので、しばらくは使えます。
一方、処分の制限に関する登記のいわゆる任売案件については、10年前と比べて参入している業者さんの数は、おそらく数倍以上になっていて競合が非常に多い、、、と思われるかも知れませんが、私が感じる限りでは、そんなことはありません。
任意売却についは、一般社団法人などのネットワーク団体が立ち上がってきていることなどから、自社サイトなどに任意売却を掲げたりするところが増えましたが、実際にアプローチ活動を続けている業者さんの数はそんなに多くないというのが私の感じているところです。
最初は、どなたもやってみるんです。
でも、続かない。
大きな理由は(おそらく)、一般の売却のように物件を預かって、レインズやポータルに載せて、チラシを撒いて買主を見つけて仲介して終わり、、、じゃないから。
競売開始決定をくらっている配当要求状態や期限の利益を喪失する寸前の所有者(以下、債務者)の心は、経験したことのない人には分からないほど病んています。
債権者が複数いれば全員の同意を得るのは大変だし、後順位で個人の金貸しが抵当をつけていたら話がややこしいし。
自営業者が年金や所得税を滞納してると面倒で、財務省の担当者は話が通じないバカが多いし、媒介や委任状を取得していても本人が動かないとどうにもならんし、、、
なので、債務者のメンタルを改善しつつ、取引が完了するまでに費やす時間は、一般の売り物件の3倍くらい費やします。
なので、任売を専門にしていない業者さんは「こんなに手間なのか、これなら一般の売却をやっている方がずっと楽だな」となるので、あえて自ら、案件を取りに行かずに某社団に毎月会費を払って、反響が回ってきた時だけ取り組むというパターンが多いのではないでしょうか。
こんなことを言うと、「任意売却」って難しそうだな、、、と思うかも知れません。
確かに、成約まで結びつけるのは、簡単ではありません。
債務者は、競売以上のメリットを期待して任意売却に踏み切るワケなので、引越し代以外にも次の住まいの手配までトータル的なお手伝いをする必要があります。
でも、2~3回、頭と体に汗をかきながら真剣に取り組めば、任意売却に対するあなたの「恐怖心」は無くなります。
もし、あなたが、これから任意売却に取り組んでみたいけど、何を話して、何をどうすればいいのか分からないという時は、REパートナースの任意売却【実践】マニュアルで、最初から最後まで誰かに頼らなくても完結できるようになります。
また、任意売却の物上げ(媒介取得)を始めてみたいという時は、下記に表示されている任意売却【物上げ】マニュアル31のノウハウ編を読んで実践すれば、早い人で1ヶ月以内に媒介は獲れるようになります。
お金は、失敗や火事や強盗にあって無くなることはあっても、「知識」は一度身につけてしまえば無くなるものではなく、どこでも通用する「稼ぐスキル」となります。
今年も適切な顧客に適切なメッセージを発しつづけて、win・winになれるようにお互い頑張りましょう。