さて、今回のテーマは、裁判所での公示(配当要求)をもとに物上げしていると謄本の甲区(所有者欄)や配当資料の物件目録などにマレに出てくる
「亡き〇〇相続財産」の任意売却をする
『亡き◯◯相続財産』と書かれている物件の任意売却についてお話しします。
これは、一言でいうと所有者(債務者)が亡くなって、相続人がいない(債務超過案件につき相続放棄が大半だと思う)物件であり、債権者が競売にかけるために競売法(民事執行法)に基づき、強制的に代位登記したものです。
所有者(相続人)がいないと、債権者(担保権者)は抵当権しかもっていないので、さすがに勝手に所有権について、どうのこうのとは出来ないため、その物件のエリアにある家庭裁判所へ相続財産管理人(または特別管理人)の選任の申し立てを行い、家庭裁判所が適当に選んだ相続財産管理人(弁護士)とやり取りしながら、競売を進めていくワケです。
で、感のいい人はお気付きかも知れまんが、破産した時に資産があって任命される『破産管財人』と似ていますよね?
破産管財人が付いている管財物件を任意売却するときには、売却代金の3%程度を破産財団に組み入れる『財団組入金』から破産管財人(弁護士)の報酬が出ますが、亡き〇〇相続財産の任意売却の場合、組入れ金の概念がなく、債権者が選任の申し立て時に家庭裁判所へ預託するわずかなお金が相続財産管理人の報酬原資となるようです。(彼らは儲からないんです)
つまり、『相続財産管理人』は手間のかかる(作文が必要な)任意売却よりも、『公的処理の結果だから・・・』と一言で片が付く競売の方が楽なので、そんな相続財産管理人から任意売却へ持ち込むには、相手の気持ちを汲み取った提案が必要になってきます。(管財案件の物上げと非常に似ていますね)
ちなみに、相続財産管理人が誰なのかは、その物件を管轄する家庭裁判所で公示されてます。
任意売却に限らずですが、営業マンは誰に対しても常に『ネゴシエーター』(交渉人)であることを自覚して接することが大事ですね。
常に相手の心理を読むようにクセづければ結果は好転すると私は思っています。さあ、明日もお互いに頑張りましょう!
※この記事は、2014.3.5に執筆したものを旧サイトから移植・一部修正等したものです。