ビジネスに△は無い
不動産コンサルタントの坂口貴長隆です
物上げの調子はいかがですか?
今回は、媒介を獲れない時に見直すべき3つの数字と見直し方について。
反響数×面談数×媒介
不動産売買では、最終的に仲介や販売まで完結しないと売上にはなりませんが、その売上の材料となる売買仲介の媒介契約(又は買い取り)まで上手くたどり着けない時に、どうすればいいのかを考えてみましょう。
物上げには、大まかに分けると、見込み客からの反響→アポ獲り面談→媒介契約(又は買い取り)という3つのステップ(数字)があります。
ここでは、あなたが狙うべきターゲティング(任意売却なら、配当要求案件又は登記受付帳から知る差押案件など)がキチンと出来ているけど、媒介が獲れない状態であるという前提です。
数字1・反響数
飛込み訪問での場合は、訪問したけど留守で面談できず、資料や手紙をポストなどに置いて帰り、あとから電話がかかってくる数のことを指します。
任意売却の場合、尻に火がついた状態の配当要求案件と、まだ気持ちに少し余裕のある税金滞納による差押案件では、反響率も違ってきますが(私の経験上では後者の方が反響率は低い)、この数字が売上への基本となる部分ですね。
任意売却に限らず、訪問なしのダイレクトメールだけで反響を狙う場合は、平均的な反響率として1%前後と言われています。
反響数が少ない時の対策
もし、留守の場合の置き手紙やダイレクトメールで、反響数が限りなくゼロに近い場合、手紙に明記しているオファーを見直す必要があります。
オファーとは、簡単に言えば「あなたに任せることで所有者が得られるメリット」のことです。
そして、そのオファーは、所有者が心の中で望んでいるものであればあるほど、反響率は上がります。
ちなみに、DMの中で、たくさんのオファーをすることは、言いたいことがぼやけてしまうのでおすすめしません。
人は、1度に1つの話なら覚えていても、1度に3つの話をされると結局1つも記憶に残らない、、、ということは、マーケティングではよく言われています。
決して、反響が無いまま同じことを続けてはいけません。何度か試して反応がなければ、他社と違うオファーに変えてみましょう。
数字2・有効面談数
有効面談とは、反響があってからキチンとアポどりして面談することをいいます。飛込み訪問の場合は、腰を据えて面談し、相手の状況と望みを聞き出せた場合のみをカウントします。一方的にあなたの会社説明やサービスを説明しただけの場合は含めません。
有効面談が少ない時の対策
問合せなど、反響の電話は鳴るが、アポまで取れないという場合は「ヒアリング不足」の場合がほとんどです。そして、これは重要な問題です。
お金と時間を費やした挙句の反響なので、ぜひ、面談はしたいものです。
電話が掛ってきた時、事務員が「担当者が不在で戻り次第連絡させます、、、」と言ったら、基本的に次はありません。
事務員でもヒアリングとアポ取りを身に着けてもらうか、電話を保留にした状態で担当者へ転送できるシステムを導入しましょう。
また、電話を掛けてきた所有者は、自分で聞きたいことすら分からずにかけてくることも多々あります。電話が掛ってきたら、あなたはドスを効かせる必要はありませんが、落ち着いて少し低めの声で質問を投げかけます。
面談は所有者の自宅がベストですが、来てほしくない人も多いので、事務所が近ければ来社を促すか、物件近くのファミレスなど希望の場所を聞いて、30分程度のカウンセリングなのでとアポを取り付けましょう。
その際「ステーキは無理ですが、ドリンクバーくらいなら経費で出せるので、お気遣いなくて大丈夫ですよ」と言えば、ちょっとしたアイスブレイクにもなります。
数字3・媒介契約数
有効面談まで辿り着けたら、初回面談時に専属専任媒介契約を取ってしまうのが理想です。
よく、形式にこだわる人は「査定もしていないのに金額が書けない」とか「面談時に所有者がハンコを持ってない」とか思うかも知れませんが、媒介価格の欄は査定してから埋めてもいいし、既に競売開始決定後の案件なら、債権者が決めた価格を記入する必要があると説明し、ハンコを持ってないなら、面談後に取りに行けばいいだけです。
要は、あなたに任せる為にサインしたという「アクション」が大切。
媒介契約が取れない時の対策
面談はポツポツとできている。
でも、媒介契約まで至らない、、、
そんな時は、所有者の家庭事情、生活、仕事、気持ち、熱望することをキチンと聞き出せていない為に、所有者が本当に望む解決策の提示と最低限の保証をしていないことが原因です。
例えば、競売にかかっている人にとって任意売却が最善の方法なのかどうかは、所有者が決めることであって、あなたが決めることではありません。これ重要です。
所有者が「本当は住み続けたい」という心理の中、任意売却は妥協だと感じれば話は進みません。
確かに、競売より任意売却の方が、圧倒的にメリットがあることは間違いありません。
しかし、個人再生の可能性があるなら、それもキチンと説明し、取り組んだ後でなければ信頼を得られません。
また、個人再生や任意売却のメリットを説明する時は、パワポなどで作った大きめの資料(所有者が頭の中でイメージできる状態)で説明します。
そして、あなたが「任意売却が一番おすすめですよ」と売り込むのではなく、所有者の口から「任意売却でお願いします」と言ってもらえる状態にすることが大切です。これは、その場の空気ですね。
所有者の望みを叶えるオファーをしたら
「○○さんは、どうしたいですか?」
とだけ言って相手に考えてもらいます。この時、相手が何かしらの返事をするまで、あなたは口を開いてはいけません。
いわゆる、黄金の沈黙です。
もし、所有者が「もう少し考えたい」と言ったなら、あなたは笑顔で「わかりました。いつでもお返事お待ちしてます」といって、さわやかにその場を切り上げましょう。
一番弱い部分を改善
あなたは「次は何を改善すれば、もっと媒介が増えるのだろう、、、」と悩んでいませんか?
そんな時、次の言葉を思い出して下さい
ビジネスは足し算ではなく掛け算
例えば、あなたの現状が、
反響率4×面談率7×媒介率5=結果140
だとします。この時、あなたがどれか1だけ高めれるとしたら、最初にどの数字をあげるべきでしょうか?
実際に計算してみましょう。
仮にアポ取り能力を高めた結果、面談率が1上がり、7→8になれば、
反響率4×面談率8×媒介率5=結果160
ところが、一番弱い数字の反響率を1上げて、4→5にした場合は、
反響率5×面談率7×媒介率5=結果175
となります。このように、わずか1だけ高めるにしても一番弱いところを改善するだけで、結果が大きく変わる。
つまり、自社の弱い(数字が1番小さい)ところを先に改善すれば、効果的に結果が変わるということです。
とても重要なので繰り返しますね。
人も金もある大手ならまだしも、あなたが中小や個人事業主なら、限られた資本と時間で最大の結果を得るには、あなたの一番弱い部分を集中して改善するようにしましょう。
こんにちは。ブログを読ませて貰ってます。アドバイスを頂いたメールに返信したのですが、弾かれてしまったのですが、どうしてですか?ご相談があるのですが。
佐藤様、コメントありがとうございます。
お調べしたところ、当社から佐藤様へのアドバイス履歴はなく、メールも普通に送って頂いたものは届くはずですが、弾かれたとすると、特に当社側で除外設定などしていないので、分かりません。
お手数ですが、当サイトのトップページ下部にある「お問合せフォーム」から送って頂きますと、アドレスエラーの心配もありませんので、そちらから送信いただきますようお願い申し上げます。