物上げ日記

物上げ日記-その9『破産』しても消えない税金滞納

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任意売却の相談を受けた際に『破産』を考えている債務者は、結構いらっしゃいますよね。そして、破産すれば、全ての借金(債務)が消えてなくなり、もちろん滞納している税金(固定資産税や市府(県)民税など)も無くなると思っている人が非常に多いんです・・・。

滞納している税金は『債務』ではないので、破産しても消えない

こんな事は、任意売却に携る不動産業者であれば、誰もが知っていることだと思います。しかし、今回、これをテーマにしたのは、この事を知らないまま対応をされている業者さんのお話を聞いたので、もしかして、もしかすると知らずに任意売却をしている業者さんも割といらっしゃるのかな?と思い取り上げてみました。

ご存知のとおり、任意売却は大原則として決済時に差押登記や仮登記は解除、抵当権等は抹消しなければ売買が成り立たない(買主がローンを組めない)為、解除・抹消をしてもらう為に各債権者と事前に交渉しておかなければなりません。

もちろん、債務や滞納税金は全額返さないと債権者は解除・抹消に応じないのが基本ですが、住宅ローンなどの1番抵当権者がいる場合、任意売却ができず競売に持ち込まれると2番目以降の債権者は1円も回収できないことがほとんどなので、2番目以降の債権者はやむを得ず解除・抹消書類に承諾印を押す為のいわゆる『ハンコ代』でガマンする事になります。

(正確には、優先劣後の関係により、全額支払わないと解除してもらえないものあります。例えば、自営業者などで自宅を担保に借入(抵当権設定)をしたが、その直前に納付期限が来ている固定資産税などや前年度の市府(県)民税の滞納分など。1番抵当権より優先(債権が先に発生している)の場合、競売になっても交付要求により、競売代金から全額配当してもらえる為)

で、任意売却後、通常は残債(ポンカス債権:担保がなくなった状態の債権)が残るので、そこで破産すれば、残債は消えますが滞納税金は消えないので、分割納付をしていくことになります。

ちなみに、税金は破産しても消えませんが、合法的に消す方法はあります。

任意売却業者として、それを債務者へ薦めるのことはいかがなものかと思いますが、頼りにされている立場としては、『これは、僕の独り言ですが、破産で消えない税金でも、〇〇すると消えるみたいですね~。』ぐらい言ってあげて、後は本人次第でいいのではないでしょうか?と思った一日でした。

(破産でも消えない税金を合法的に消す方法は『任意売却【実践】マニュアル』を参照)

 

 

※この記事は、2013.1.24に執筆したものを旧サイトから移植・一部修正等したものです。

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