不動産の雑学

テナント募集(客付け)のコツ

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テナント(事業用)物件で、なかなか客付けされない時は一度、募集を任せている不動産業者の募集状況を確認することが重要です。

それはなぜか?

賃貸仲介に専任は無い

そもそも宅建業法では賃貸仲介に専任という概念はありません

売買仲介であれば、不動産を売る時、
1社の不動産業者だけに任せる「専属専任媒介」「専任媒介」契約を締結した場合、宅建業法によりその任された不動産業者は、売主が不利益にならない且つ早期に買主を見つける為に、他の不動産業者にも情報を公開する不動産業者間ネットワークの指定流通機構(通称レインズ)に5日ないし7日以内に掲載しなければなりません。

賃貸の専任はレインズ掲載義務無し

ところが、賃貸の場合は宅建業法によるレインズへの掲載義務がなく、レインズへ掲載するのは任された業者の意思に委ねられることになります。

つまり、早期にレインズへ掲載している業者は、単に集客力が無いというのではなく、自分の利益よりも早期に借り手を見つけて家主の利益を重視する不動産業者だと言えます。

今は物件募集サイトがたくさんありますから、借主も情報を囲い込まれると探し当てるまでに疲弊し機会損失になってしまうので、レインズに掲載して多くの業者からの広告発信を容認する不動産業者は借主にとっても良い業者だと言えます。

不動産仲介は、原則として仲介手数料で商売している為、できることなら自社単独で貸主と借主を引き合わせることで、それぞれから手数料を貰おうとします。
業界ではこれを両手仲介といいます。

別にこれが悪い訳ではなく、短時間でこれを成せるなら家主(貸主)もデメリットがないので問題ではありません。

ところが、借主からも手数料が欲しい為に自社のみで募集活動(いわゆる物件情報の囲い込み)を行い、数ヶ月や1年も借り手が付かないままだと家主には家賃が入らないどころか、固定資産税や共用電気など維持費がかかるのでマイナスになります。

この情報の囲い込みは中小や大手不動産業者、FC加盟店など関係なくいまだに多く見られます。

特にロードサイド物件の場合は9割ほど囲い込みされていると言っても過言ではありません。

賃貸の専任契約はあくまでも民法上によるものなので、専任で客付けを任せる場合は1か月だけとか期限を切るほうが真剣に募集を行います。

賃貸に宅建業法上の専任規定はありませんから、テナント募集で長期間空室のままなら、片手商売でも喜んでレインズに掲載してくれる不動産業者にも声をかけてみましょう。

管理会社は専任仲介とは役割が異なりますが、管理会社もレインズに掲載していない(多くは掲載期限切れで更新していない)こともありますので、直接聞きにくい場合は、自分の物件がどこで掲載されているのかネットで調べてみましょう。

大阪だけでも約3万社近い宅建業者がいます。義理人情から1社だけに募集をまかせて長期間の空室に耐えるか、賃貸経営もビジネスだと割り切って早期稼働を目指すのかは、
「何のためにそれをしているのか?」を考えれば答えは出るはずです。

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