不動産売買仲介や買取再販をしていると、
いずれは誰もが抱く疑問。
それは「物件は浄化槽(または汲み取り)だけど、前面道路に下水が通っていたら切り替えて売る必要があるのでは?」というもの。
売主としては、費用をかけずに売りたいもの。
結論:現状で売っても問題ない
下水道法では、下水道が整備された日から3年以内に切り替えなければならないと規定されている。(この期間中なら補助金が出る市もある)
ところが、この規定には(本記事執筆現在では)罰則がないので、実態としては「3年以内に切り替えてね」というお願い規定とも読み替えることができる。
ただし、市によっては条例で別途定めることがあるかも知れないので、プロとしては下水道課に罰則の有無を必ず確認しておいた方がよい。
宅建業者としてのリスク
買取再販業者なら売主として、仲介業者ならバイヤーズエージェントとして、もし浄化槽(または汲み取り)から下水道に切り替えるとしたら工事費や受益者負担金で○○万円は必要になると具体的な見積もりをとって重要事項説明に添付しておいた方が良い。
また、浄化槽(または汲み取り)で生活をしている人は、下水道に切り替えた場合、下水道使用料が毎月の水道代に加算されて請求されることを知らないことが多いので、説明しておくだけでも親切だ。
水道工事業者に見積もり依頼する程度のわずかな手間を惜しんだために、後から買主が「そんなこと聞いてない!」と言いだすと、一生の思い出になりかねない。
結論:実務としては、下水道に切り替えずに物件を売る場合は、買主にその後に必要となるリスク(費用・時間・手間等)を説明して納得してもらえば特に問題ないということです。