不動産コンサルタントの坂口 貴長隆です。
あなたがほしいと思った土地や空き家などの所有者を登記全部事項証明書(以下、登記簿)などで調べても所有者は登記上の住所に住んでおらず連絡先や生死も分からない場合は、どうすればその物件を購入できるのでしょうか?
あなたがその空き家(又は空地)の隣地所有者で、その土地建物から木の枝が越境してきている、家屋が傾いてきて危険を感じる等の何かしら所有者へ連絡を取らないといけない正当な事由がある場合は、その状況写真とあなたの土地建物の登記簿の写し、隣地の登記簿の写しを持って、隣地の所有者の登記簿上の住所地の市役所の住民課に行けば、転居先を教えてくれる場合がありますので、その方法で辿っていけば、所有者に連絡を取ることができることもあります。
市役所でも転居先が判明しない場合は・・・
所有者不明土地・建物管理命令制度を利用
2023年4月に施行された改正民法のうち、所有者不明土地・建物管理命令を利用する方法もあります。
簡単に言えば、裁判所にその物件の管理人(一般的には裁判所が任命する弁護士)を選任してもらい、裁判所の許可を得て、その物件を購入するというやり方です。
選任される時間は概ね3ヶ月程度である点や、この制度が所有者不明の不動産を減らしていくのが目的のため、基本的には誰でも申請することができることから不動産業者も利用可能です。
但し、この制度は、区分所有建物には利用できないので注意が必要です。
手続きの方法
1・まずは行方不明者の所在を調査する
2・裁判所への申し立てをする
3・予納金(公告費や管理人報酬など)の支払い(概ね数十万円)
4・裁判所による公告(1ヶ月以上)
5・裁判所による管理人の選任
6・裁判所による管理命令の登記
7・管理人による管理行為
という流れになり、基本的には管理人が建物内外の確認を行ったあと、物件の価値を判断するための資料(査定書など)を提出して裁判所の許可が出たら、管理人から購入することになります(売買代金は、法務局への供託される)
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