さて、不動産調査を行っていると工業地域や工業専用地域において、防火地域・準防火地域の指定がないことを疑問に思ったことはないだろうか?
私は、この理由について大阪市都市計画課に問い合わせてみた。
大阪市内においては、その多くが建ぺい率80%以上のエリアだ。実はこの建ぺい率というのは消防と密接な関係にある。
建ぺい率はそもそも、火災が生じた際に敷地目一杯に建物が建っていると近隣に燃え移るから、、、ということで作られた規定だ。
「接道義務2m以上」もそうである。消防車が敷地内まで踏み込めるようにという理由。だから、マンションなど大型建築では、消防車が並列して踏み込めるように接道2m以上ではなく、4m以上必要であったり、土地開発では道路幅員6m以上が必要だったりするわけである。
そういった事から、
- 工業地域や工業専用地域では建ぺい率が60%であることが多く、近隣に延焼する可能性が低いこと
- そもそも工場には「危険物」が多いことから「消防法上」でガチガチに規制がかかっている
という理由から、都市計画法上では工業地域・工業専用地域には特に防火・準防火地域指定はしていないとのことであった。
ただし、防火・準防火地域に指定されていなくても法22条は全域にかかっている為、屋根をわらぶきなどにすることはできない。
なので、防火指定がなくても重要事項説明では「法22条地域」とする必要がある。